Sticky Note

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【メイドインアビス 考察】①アビスについて

 この記事では、大穴アビスについて考えていきます。

アビスの変化、その周期(=2000年)、魂がアビスへと還ること、これらの仮説について、根拠と共に考えていきます。

また、瞬間移動可能な遺物が存在する仮説、先住民、アビス信仰の事象がオースにも及ぶのか、についても考えます。

 

ネタバレが含まれるためアニメしか見ていない人は注意してください。

単行本8巻までと55話を参考に書いています。 

アニメ2期烈日の黄金郷1話視聴後、追記しました。

 

アビスに関する記事を追加しました。↓

【メイドインアビス】アニメ2期視聴+αの考察 - Sticky Note

【メイドインアビス】②2000年問題【考察】 - Sticky Note

 

 

●目次

 

仮説① アビスは変化する

・根拠①
8巻 ハローアビス49にて
ガンジャ隊がショウロウの地(現在の六層)についた時の描写で、

『深界???層 ショウロウの黄金郷』

とあります。つまりショウロウの地は、当時の六層ではない事が示唆されています。これが一番大きい理由ですね。


・根拠②
ヴエコはリコの六層という言葉には聞き覚えがないこと。


・根拠③
8巻においてガンジャ隊がショウロウの地に着くまでに、

四層の盃などを進む描写がない(ただ省いた可能性も十分ある)、

(アニメ2期から盃を通過していることが確定)

また、たどり着いたメンバーがそこそこいる事(少なくとも10人はいそう)。
仮に現在のアビスであれば、オーバードや遺物もなしにこのような事はなし得ないと思います。よって現在よりもっと浅い所にショウロウの地はあったのではないでしょうか。


・仮説について
上記に示した事から、ガンジャ隊がアビスについた頃のアビスと、現在(リコ達が潜る頃)のアビスは、同一では無いと考えられます。

どのような変化を遂げるのかは分かりませんが、根拠③から、

層は(一層分ずつ)奥へ奥へと深くなっていると思います。

 

4層にイドフロントという巨大な装置があるのも理由の一つです。四層にこれだけの巨大な装置をどうやって築いたのでしょうか。まだ浅い層にある時に、今のオースやシーカーキャンプのように作った、と考えれば説明がつくわけです。

しかしながらなぜ奥へとずれこんでいくのかは分かりません。

 

仮説② アビスの変化は2000年ごと

これは仮説①が正しいとすれば可能性は高いです。1900年前から現在まで探窟家が潜り続けているので、もしその最中に変化しているとなれば探窟家が気づき、リコたちにもアビスは変化している共通認識として教えられるはずです。探窟家に気づかれない層で変化してる可能性も捨てきれませんが。

また、一層で発掘されるお祈りガイコツは2000年前のもの、一層二層の境界の風車は4000年前のもの、巨人の盃のダイラカズラは2000年周期で生え変わることから、アビスの変化の周期は2000年問題と同じ事象か、または2000年問題と大きく関連していると考えます。

 次の2000年が近づいているからか、通常その層に居ないような、深い層にいるはずの生物(ベニクチナワやクオンガタリ)が上へと上がってきてます。これも、2000年周期のアビスの変化の前兆を感じ取ったからかもしれません。

 

閑話1 ガンジャ隊が出会った先住民はどこにいった?

→お祈り骸骨へと変わった?
上記仮説①②を正とすると、ガンジャ隊がアビスに着いたのは、現在より2000年以上前の可能性が高いです。

よって先住民は2000年問題によってお祈り骸骨の一部へと変わったのだと思います。別のどこかへ行った、単に絶滅した、なども考えられます。

黄金都市の住人

先住民の話していた黄金都市の住人とは、ヴエコと会話してるイルミューイ曰く、

『身体に模様あるヒトみたいな姿だって 村の言い伝えにあった』。

ライザの封書にあったロボットやレグのことでしょう。ガンジャ隊がショウロウ層についた頃にはいませんね。奥深くへと移動したのでしょうか。


仮説③ 魂はアビスへと還る

・前提

まず、メイドインアビスでは魂という概念が存在します。

そして魂が存在すると認識しているキャラもいます。これは、アビス信仰や、ヴエコのセリフ

『これはイルミューイが名前すら呼べなかった子供達…その魂の形』(8巻)

などからわかります。


・根拠①

遺物『呪い避けの籠』に入れられた生き物がアビスの中心へと向かう
オーゼンが入れた残飯の残りは生き物なのかすら怪しいですが……生命を魂と身体(器)という二要素でできているとすると、残飯はその身体だといえます。一度死んでいるために、残飯の魂はここにはなく、器である身体が魂を求めてアビスの中心へと向かっている、と考えるわけです。

上記の仮定を行うとリコという存在がわからなくなります。オーゼンの

『君はいつまで動き続けられるんだろうね』

といった趣旨の発言も手伝って、リコが生命として完全であるのか(一度も死んでないような他の生命と同等な状態なのか)分かりません。リコに魂はあるのか?無いとしたら、動き続けられるのは遺物の力でしょうか。奈落の底ではアビスへと還ったリコの魂が待ってたり?


・根拠②
アビス信仰
ミーティがナナチに語っていたものです。

『アビスで死んだ者の魂は、形を変え、命を願うもののとこへ旅立つ』

探窟家の生まれ変わりが遺物説もありますよね。


・根拠③
レグ=リコが飼っていた犬の魂が入ったロボットという仮説

リコ曰く、レグの名前の由来は昔飼ってた犬との事です。一方ロボットのレグは記憶を失う前に会ったファプタにはレグと名乗っています(ハローアビス55)。

レグが自分にレグと名付けたのか、もしくはライザが付けたのかは謎ですが、このような意味深な表現は、もしレグと犬が無関係であれば避けると思うんですね、全然別の名前にしたりとかして。

また、リコは鋭い視点があることは作中で描写されており、『見える』ワズキャンと同じ呼称を星の羅針盤に用いていることからも、リコの勘というのは無視しがたいです。よってリコがロボレグを見て犬レグらしさを感じ取りレグと命名したのかもしれません。
この仮説を正とすると、犬レグは死んだ後、その魂はアビスの深くへと還って行き、黄金都市の元住人?であるロボットとして(ロボットという器へ入り?)生まれ変わったのではないでしょうか。


閑話2 オースで死んだ魂はどうなるか?

※オース=アビスを取り囲む地表の街

上記仮説③の根拠③のレグ=飼ってた犬説を考えた時、次の疑問が生じました。
①犬レグはアビス内部で死んだのか?
②または、オースで死んだのか?そしてその魂が還ったのか?


・①について
普通に考えればアビス内部にペットを持ち込むとは思えません。小さい子供(リコ)なら勝手に連れてく可能性もありますが。

・②について
アビス信仰で言うアビスがオースも含むのであれば、犬レグがアビス内部で死んでいなくともアビスへと還るでしょう。

・結論
レグ=飼ってた犬説を正とした場合、①は考えにくく、よって、アビス信仰で語られる魂云々の事象はオースにまで及んでいる、と考えます。つまりオースで死んでも魂はアビスへと還る、と推測します。キユイの熱がオースを出た途端に下がった事も、この考えを後押しする理由の1つです。

 

2000年問題はオースを出れば回避可能か

ここでは、2000年問題を、『2000年毎に、アビス地表とアビスにおいて人間が死ぬ謎の現象』を少なくとも含む問題として扱います。このような言い方にしたのは、2000年問題が、お祈り骸骨を作り上げるだけの事象とは限らないからです。

下記からこの節の本題です。

キユイの熱が下がったことから、オースより外は熱病をもたらすこの不可思議な力が及ばない可能性があります。

つまりオースを出れば2000年問題による影響から逃れることができるのでは?という疑問が浮かびます。

しかし下記三つの点から、二千年問題はオースを出ても回避できないと考えます。

関連して下記3つの点を考えました。

 

①オーゼンとボンドルド?以外の白笛はオースより外に行くのではなく、ラストダイブ(絶界行き)している。しかし目的は不明。ボンボルドは次の二千年を迎える準備ができた。

→(ラストダイブ=二千年問題回避説)

→ボンドルドのセリフから、ラストダイブ=2000年問題回避説 ではなさそうです。成れ果て化=2000年問題回避説の方が可能性高そうです。

 よって、白笛がラストダイブしたのは2000年問題回避のためではなく、それ以外のためという可能性が浮上します。白笛という特性から、アビスに関する特別なイベント、アビスの真理に迫れるようなイベントが発生するのだと考えます。イベント候補としては黄金郷の出現です。

②以前ライザはアンハードベル(時を止める鐘)の回収任務を与えられていた。

 →アンハードベルによって2000年問題を回避したい可能性。しかしながら、時を止めた所で一時凌ぎにしかならず、少なくとも謎の病によって死ぬという致命的な損害を完全に回避する手段としては弱い。よってアンハードベル回収は死ぬ病という事象に対して関係なさそう。

③アビスが見つかったのは1900年前だが、それ以前にワズキャン達ガンジャ隊は潜っていたかもしれない。

この場合、2000年以上前にアビスが見つかっていたのに1900年前に見つかった、とされている理由は、

 (1)2000年問題によってアビスの存在を人々が忘れた

 (2)2000年問題によってアビスを知る人間は後の世代に伝えれぬまま死んだ

 (3)2000年より前はアビスの存在はおおやけにはされていなかった

 (4)アビスや2000年問題について把握していた人間達が情報を故意に規制した

などの可能性がある。

(1)(2)の場合、2000年問題はアビスの舞台の星上全てに影響力を持つことになる。

((3)(4)もオーゼンの話的にあり得そうではある)

ガンジャ隊時代の描写から、アビスを知る人間はあまり多くないように見える。よって、2000年問題によってアビスの島の地表に住む人間が亡くなるとアビスに関しての情報はほぼ閉ざされてしまう。つまり、(2)の可能性が高いと思う。

また、キユイの治療にきた船団の描写から、ガンジャ隊時代より科学技術は進んでいそうである(ガンジャ隊が木製の船である一方、治療の船団の船は金属製である)。このことから、アビス外の文明はガンジャ隊時代から消滅することなく発展していったのではないかと感じる。よって、2000年問題は、少なくとも、地表人類全てを葬るようなものではないと考える。

この二点から、アビス外の人間は文明を発展させ、アビス地表で暮らす人間は亡くなった、と考える。

よって、2000年問題はアビスとアビス地表までしか影響しないのでは。

 

よって、オース外に逃げることによって治った熱病は、

二千年問題とは無関係か、または、二千年問題の一部ではあってもその中でも比較的リスクの小さい事象と考えます。

描写的にも、熱病が二千年問題と関係しないとは思えないので、結論を後者とします。

まとめます。

①では、ラストダイブ=2000年問題回避説を否定し、成れ果て化=2000年問題回避説を唱えました。また、余談として、白笛はアビスに関する何らかのイベントのためにラストダイブした可能性を挙げました。

②では、アンハードベル回収任務の目的=2000年問題(死ぬ病)回避のためという説を否定的に述べました。

③では、2000年問題がアビスとアビス地表までしか影響しない可能性を述べました。

よって、2000年問題、特に死ぬ病はオースを出れば回避できると考えます。

 

その他


トコシエコウの情報

・アビスのほとんどの場所に咲いている
数万年前から存在
・ライザの白笛の意匠
・葬儀や祝いにも花が使われる
不屈の花。ライザの封書曰く、

『常に代わる代わる咲き誇り 実は香り高く刺激的… おまけにアビス中ほとんどの場所に咲いている』(4巻)。

単行本のクオンガタリの解説ページにて、数万年前の化石も見つかったと表記があります。
ライザはトコシエコウが好きですが。白笛の意匠となった理由は、白笛の材料となった人間もトコシエコウが好きだったからか、それともまた別の理由でしょうか?単にデザインの問題か?
トコシエコウは説明も多く目立っていて、演出上のアイテムだとか、メタ的な役割を背負ってるだけでは無いように感じます。


瞬間移動可能な遺物が存在するという仮説

※瞬間移動またはそれに似た超常的な移動

現在は先導卿ワクナが所持している?


・根拠①
イドフロントの装置を使わずに6層へ侵入した先導卿
ボンドルド曰く、ご老人の白笛、先導卿ワクナは、イドフロントの6層への侵入装置を使わず、届け出は出さずに自身の遺物によって6層へ侵入したとのこと。

また、ボンドルドは、神秘卿スラージョについては、「届出は出さず6層へ降りた」としか言っていません。

よって、先導卿ワクナのみが自分の遺物を使ったのでしょう。
イドフロントの装置を使わずに6層へと降りるには、海を泳ぎ底に潜るか、それ以外の方法で移動を行えなければなりません。

 

・根拠②
ジェローイモが見た船
アビスに潜るより前にヴエコを引き取った男は、『ある凪いだ日の洋上、沖合で』奇妙な船を発見しています(8巻冒頭)。

『火の手もないのに燻り煙を吐き続ける遺体。両断されたままうごめき続ける者。中身が脱げてしまっている者』、そしてもう一人、ヒトの状態を保った男がおり、会話は成り立ちませんでしたが、星の羅針盤について言及し、逃げてきた、黄金郷を見られなかった、と言います。
ここで注目したいのは
⑴奇妙な遺体たちと会話の成り立たない男
⑵『逃げてきた』という男の発言
⑶それらが乗った漕ぎ手もいない船が、波もない海上にポツンとあった

の3つです。順番に考えていきましょう。

 

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⑴について
船に乗っていた船員をそれぞれ
船員①燻り煙を吐く遺体
船員②両断されたままうごめき続ける者
船員③中身が脱げてる者
船員④会話の成り立たない男
とします。
船員①②③はアビスの呪いとは違った現象ですが、船員④は回復前のプルシュカと似てる所もあります(グェイラ曰く呪いが深すぎて自我まで持ってかれてる)。船員②は遺物の籠に入れられた残飯に似ています。また、序盤はメリットしかなさそうな遺物たちでしたが、欲望の揺籃やゾアホリック、シェイカーといった遺物など、デメリットやリスクのある遺物の存在も明らかになってきました。
よってこれらは上昇負荷によるものではなく、欲望の揺籃のような、遺物による現象ではないかと考えます。何も起きてない海上で遺物を使ったのではなく、アビス内部で遺物を使い、船ごと地上へ飛ばされてきたのではないか。遺物を使った結果、このような状態になった、ということです。
しかしこれは推測による要素が大きく、瞬間移動の遺物を支持する根拠として弱いですね。

 

⑵について
逃げてきた、とは、正にさっき逃げてきた、または、逃げてきてからあまり時間は経ってないのではないでしょうか。アビスから普通に上がって逃げてきたのであれば、オースから出るまでの理由にはなりません。恐怖心が強すぎて、オースにすら居たくない、であれば別ですが。

 

⑶について
これが一番大きいです。

この奇妙な船員らを乗せた船は、波も無いのにどうやって沖合にまで来たのでしょうか?

アビスに関する何らかによって、奇妙な姿へ変えられた者たちが、オースを出て、船を漕いで来たとは考えにくいでしょう。オースを出発した後にこうなったという可能性も無くはないですが、「逃げてきた。黄金郷を見られなかった」(意訳)という発言と船の状況的にも低いと考えます。

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・根拠③
3層の大断層にあった船
何年前のものと言及されてたか忘れてしまいました。

あのような場所に、壁に埋まるように存在するのはまったくもって不思議です。これも瞬間移動したとなれば納得できますが、埋まった理由が瞬間移動だけとも限りません。
船が埋まってる理由について一応考えてみたいですが、まずはこのへんで。

 

師匠の言っていた探窟家の教え
アビスで頂いたものはいつかお返しする

星の羅針盤を落としたときリコが言っていた、ジルオが言っていたという探窟家の教え。特にそれにメッセージがあったり、作品の展開に探窟家のその価値観が関わってくるとか、そういう気配はないので、伏線な気がして気になっています。

リコの命もそうだよなあと思いました。頂いたというか、借りてるというか? 頂いた、ということならリコの魂はリコの身体に宿っているのか?


おわりに

推測が含まれる内容ですので生暖かい目で受け取ってもらえると幸いです。

メイドインアビス面白いですね。

 

本記事作成時のメモを下記の記事にてまとめました。

【メイドインアビス】考察にあたっての情報整理 - Sticky Note

→考察を目的に作成したものでしたが、考え直し、削除しました。

 

以上です。ありがとうございました。

 

2020年8月追記

2021年5月,11月修正

2022年7月修正

 

narcolepsy.hatenablog.com

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